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高森明勅
2020.3.9 00:48皇統問題

古代日本の男系・女系

古代日本とシナ文明の違いの1つは双系社会か
男系社会かの違い。
古代の日本が双系社会だった事実は、今や学界の
広く認めるところだろう。

近頃刊行された著書でも以下のように触れられている。

「古代においては必ずしも男系優位ではなかった、
と現在の歴史学界では言われている。
古代は『双系制社会』であり、父方・母方の双方の親類と
密接な関わりを持って、政治的な地位や財産を双方から
受け継いだ。

日本の古代社会を双系制社会とみなす根拠として、
まず明確な婚姻居住規制の欠如が挙げられる。
すなわち、夫婦が男性の側の家で生活するのか、
女性の家で生活するのか、ハッキリ決まっていない
ということである。

次に男女均分の相続慣行である。
子どもに財産を分ける場合に、基本的には男女平等
に分配した。
男に多く譲るとか、そういうことがない。
母姓継承や父母姓継承の存在も指摘されている。
政治的な地位の継承における母方の血統の重要性も、
古代の日本が双系制であることを裏付けている。
これは、古代の天皇の婚姻関係を見ると良く分かる」
(呉座勇一氏『日本中世への招待』令和2年2月)

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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